シミに正しくアプローチする上で、まずは自分のシミの種類がどのようなものなのか理解する必要があります。色や形状、広がり方から見分けて正しく判断することが、シミ改善への近道だと言えるでしょう。
本記事ではシミの種類や原因、おすすめの治療方法をご紹介します。シミの種類の見極め方も説明しているので、ぜひ参考にしてください。
Contents
シミの種類は8種類
シミの種類は大きく分けて、8種類あります。
- 老人性色素斑
- そばかす
- 色素沈着
- 脂漏性角化症
- 肝斑
- ADM
- 扁平母斑
- 太田母斑
それぞれのシミの特徴や対処方法を以下で詳しくみていきましょう。
老人性色素斑
老人性色素斑は、シミの中でももっとも一般的な種類です。大半は紫外線や加齢が原因とされていますが、発症要因は完全には解明されていません。
30代から徐々にあらわれるようになりますが、若年層や男性でも発症するケースがあります。
老人性色素斑茶色を帯びた色で境界線がはっきりしているのが特徴です。できる場所は決まっておらず、顔全体や手の甲、腕などにもあらわれます。
対処法
主な対処法としては、シミ部分に対するレーザーや光線の照射が一般的です。シミひとつひとつにピンポイントで行い、症状に合わせてレーザーの種類や出力を調整します。
ピコレーザーは短いパルス幅でメラニン色素を微細に破砕するため、比較的早く効果があらわれやすいとされています。その他の施術でも、肌のターンオーバーを促進させ再生を図ることで、ニキビ跡や毛穴の改善も期待できるでしょう。
そばかす
そばかすは雀卵斑とも呼ばれ、基本的には遺伝的な要因が関係していると考えられています。そのため、幼少期から発症するケースが多くみられます。
ただし、紫外線や体調の変化などで、症状が変動することもあるので、一概に遺伝だけが原因とは言えません。
多くは顔の頬から鼻にかけてできますが、手や背中など体のあらゆる部位にも発生します。一つ一つは小さいものの、全体としては広範囲にわたってできるのが特徴です。また、季節によって色が濃くなったり薄くなったりするのも特徴の一つです。
対処法
そばかすの対処法としては、レーザーや光線照射が一般的です。そばかすは濃淡や範囲がさまざまなため、一人一人の症状に合った方法を選ぶ必要があります。
シミ部分にレーザーを照射すると、かさぶたができ、その後徐々に薄くなっていく効果が期待できます。ただし、継続的に施術を受けなければ大きな効果は期待できないでしょう。
色素沈着
色素沈着は、ケガやトラブル跡にできるシミです。軽症であれば自然と治癒することもありますが、大きな傷や何度も同じ箇所に傷ができる場合は、症状が長引きがちです。
原因によって症状はさまざまで、色や境界線の明瞭さにもばらつきがあります。発生部位も決まっておらず、体のどこにでもあらわれるのが特徴です。
対処法
色素沈着の場合は、シミができた原因や大きさ、色合いなどに合わせた方法を選ぶ必要があります。レーザーや光線照射、ピーリング、外用薬でアプローチしていくのが一般的です。
炎症が原因の場合は、内服薬で炎症を抑える治療も並行して行われます。色素沈着は肌のターンオーバーの改善で早期回復が見込めるため、クリニックや病院によってはスキンケアの指導や化粧品のアドバイスがされることも。
脂漏性角化症
脂漏性角化症は老人性イボとも呼ばれる病変で、年齢とともに発症率が高くなります。遺伝的な体質が影響していると考えられていますが、紫外線も原因の一つとされています。
脂漏性角化症は平らなシミが次第に盛り上がり、大きくなっていくのが特徴で、見た目は褐色や黒色が多く、サイズもバラバラです。
顔やこめかみに発生することが多いですが、基本的には体のどこにでも見られます。そのため、顔やこめかみにできていないからといって、脂漏性角化症ではないと判断するのは時期早々でしょう。
対処法
脂漏性角化症は良性腫瘍なので、放置しても悪性化はしません。しかし、大きさによっては見た目が気になることも。その場合は美容クリニックなどで、イボを取り除く施術を受けてみるといいでしょう。
よく行われているのは、Qスイッチヤグレーザーなどを用いたレーザー治療や、高周波メスによるイボの除去です。大抵は1回の治療で済みます。
また、赤みや色素沈着が残る可能性はありますが、液体窒素による冷凍凝固療法も選択肢の一つです。
肝斑
肝斑は30代以降の女性に多く見られるシミですが、男性でもまれに発症します。紫外線や肌トラブル、ホルモンバランスの乱れなどが原因として考えられていますが、明確な発症要因は特定されていません。
個人の体質も大きく影響しているようです。基本的には両頬の上部に左右対称にあらわれ、色は薄めですが広範囲に大きなシミとなるのが特徴です。
対処法
肝斑の場合、確立された治療法はないため、内服薬や外用薬、低エネルギーの「レーザートーニング」などでアプローチしていくことになります。
経過には個人差があり、効果がでなければ途中で方針を見直すケースもあります。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADMは両頬に数mmのくすみシミができるのが特徴です。遅発性太田母斑や対称性真皮メラノサイトーシスとも呼ばれています。
発症の原因は不明ですが、真皮の深い層に色素沈着と色素細胞が見られるのが大きな特徴でしょう。色は灰がかった褐色や青みがかった色が多く、発症のピークは20代の女性に多いとされています。
対処法
ADMの主な治療法はレーザー照射です。真皮の深部にできたシミに対して、複数回のレーザーを当てていきます。治療間隔は約3ヶ月ですが、人によっては効果があらわれるまでにより長い時間がかかることもあります。
扁平母斑
扁平母斑は皮膚の盛り上がりのない茶色いあざが特徴で、カフェオレ班とも呼ばれています。生まれつき存在するか、または生後間もないころに発症することが多いです。顔や手などさまざまな部位にあらわれます。
まれに思春期以降に発症する場合は遅発性扁平母斑と呼ばれますが、悪性化する心配はほとんどないと言われているため、安心してください。
対処法
扁平母斑は健康上の問題がほとんどないため、基本的には経過観察となります。ただし、サイズが大きすぎる場合や本人が望んだ場合は、レーザー治療が行われることがあります。
ルビーレーザーやQスイッチレーザーなどを用いて、3〜5回程度の照射施術を受けている方が多いです。ただし、一度治療しても再発しやすい症状でもあるため、何度も繰り返す場合は除去施術が勧められるケースもあります。
太田母斑
太田母斑は主に顔の片側に発症する青みを帯びたあざで、出生後半年以内にあらわれることが多いです。額や目の周り、頬、鼻、耳など顔面にあらわれやすいのが特徴です。
思春期までに徐々に色が濃くなったり、新たな色素斑が加わったりすることもあります。まれに、20〜40歳代で発症する方も。
色は青紫色から灰紫青色が一般的ですが、まれに薄い茶色の小さな色素斑が混在することもあり、そばかすやシミと見間違えられがちです。
対処法
太田母斑ではレーザー治療が行われることが多いです。レーザー治療では、真皮部分のメラニンを破壊していきます。早めに治療を始めることが望ましいですが、症状が広がっていく場合は落ち着くのを待ってから、治療が開始されることもあります。
シミを発生させないためのポイント
遺伝や生まれつきなど仕方がない種類のシミもあるものの、色素沈着や老人性色素班の場合は、日々のお手入れで対策できます。ここからは、シミを発生させないためのポイントを解説していきますね。
正しいスキンケア
肌に合わない化粧品や過度な摩擦は、メラニン色素の生成を促進させてしまいます。洗浄力が強すぎる洗顔料で強くこすったり、刺激性の高い保湿剤を使用したりしていませんか?刺激の強いスキンケアをすると肌にストレスがかかり、シミができやすくなってしまいます。
また、洗顔後に適切な保湿ケアを怠ると、肌が乾燥してバリア機能が低下し、結果としてメラニン生成が活発になってしまいます。メイクの量に見合ったクレンジングと、肌質に適した洗顔料を選ぶことがポイントです。
洗顔時は泡立てた洗顔料を指の腹で優しくマッサージするよう心がけましょう。保湿ケアでは化粧水→美容液→乳液→クリームの順にお手入れし、特に乾燥が気になる部分にはクリームを重ね付けしてみてください。
UVケアの徹底
シミを対策するためには、徹底的な紫外線対策が重要です。日焼け止めだけでなく、日傘やサングラス、アームカバー、UVカット機能付き下着など、さまざまな対策を組み合わせて万全の体制を整えましょう。
日焼け止めは、外出時間や場所に合わせてSPF値やPA値を選びましょう。日常生活ではSPF10〜20程度、屋外スポーツではSPF20〜30程度、強い日差しが当たる場合はSPF30以上と、用途に合わせて使い分けるのがベターです。
美白有効成分の活用
日々のスキンケアでは、メラニン生成を抑制したり、既にできたメラニンを還元したりする美白有効成分を配合した化粧品を使うと効果的です。主な美白有効成分には以下のようなものがあります。
- ビタミンC誘導体:安定性が高く、浸透してビタミンCとして働きメラニン還元やシミ薄化に作用する
- アルブチン:チロシンとチロシナーゼの結合を防ぎ、メラニン生成を抑制する
- カモミラエキス:メラノサイトの活性化や増殖を抑制することで、メラニン生成を抑える
- トラネキサム酸:メラノサイトの活性化を抑え、メラニン生成を抑制する医薬成分
- プラセンタエキス:動物由来の胎盤抽出物で、メラニン生成を抑制する働きが期待できる
- コウジ酸:醤油や日本酒の製造過程で発生する成分で、メラニン生成に関与するチロシナーゼを阻害する
美白化粧品を選ぶ際は、上記の成分が配合されているものを積極的に選んでみてください。
シミ対策に役立つ食生活
食事からも、シミ対策に有効な栄養素を摂取できます。おすすめの食品を、成分ごとに見ていきましょう。
- ビタミンA:ターンオーバーを促進してメラニンの排出を助けます。うなぎ、鶏レバー、ニンジン、ホウレンソウ、ニラ、コマツナなどに多く含まれています。
- ビタミンE:血行を良くしてターンオーバーを整え、抗酸化作用で活性酸素を抑えます。アーモンド、アボカド、うなぎ、サケなどに多く含まれています。
- ビタミンC:メラニンの沈着を防ぎ、還元作用も期待できます。レモン、キウイ、イチゴ、パプリカ、ミニトマトなどに多く含まれています。
- たんぱく質:肌を作る材料となるため、積極的に摂取しましょう。赤身肉、魚介類、卵、豆腐などを意識して取り入れてみてください。
- 亜鉛:たんぱく質の合成や遺伝子発現に関与し、ターンオーバーの調節に役立ちます。アーモンド、牡蠣、牛肉、卵などに多く含まれています。
シミの悩みならプロに任せるのもあり!
シミにはいろいろな種類があり、その種類に合わせて対処しなければなりません。治療が必要なものもあれば、日ごろのケアでお手入れできるシミもあります。
シミへの対策には、適切なスキンケア、紫外線対策、美白有効成分の活用、食生活の改善など、さまざまな方法があります。とはいえ、日常のスキンケアだけではなかなかシミを改善できない場合もあるでしょう。そのような場合は、プロに任せるのも1つの手です。
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