この記事では、シワに効くとされる9つの成分を一つずつ整理し、そのうち厚生労働省にシワ改善の効果が認められている医薬部外品の成分と、それ以外の化粧品成分の違いまで、はっきり線引きして紹介します。深いシワと小じわでおすすめが変わる点や、部位別のケア、シワ改善クリームの選び方まで、この1本でまとめて確認できる保存版です。
Contents
シワに効く9つの成分とその働き【一覧表】

シワに効くとされる成分には、主に次の9つがあります。
| 成分 | 分類 | 主な働き |
|---|---|---|
| レチノール | 医薬部外品(シワ改善) | ターンオーバーをサポートし、ハリのある肌印象へ |
| ニールワン | 医薬部外品(シワ改善) | ハリを支える線維を分解する酵素にアプローチ |
| ナイアシンアミド | 医薬部外品(シワ改善・美白) | シワにアプローチし、バリア機能を高める |
| ライスパワー®No.11+ | 医薬部外品(シワ改善) | シワにアプローチし、水分保持能を改善する |
| ビタミンC誘導体 | 化粧品成分 | 肌を整え、うるおいを与える |
| ヒアルロン酸 | 化粧品成分 | 高い保湿力でうるおいを与える |
| VEP-M(ビタミンE誘導体) | 化粧品成分 | うるおいを与え、乾燥による小じわをケア |
| バクチオール | 化粧品成分 | レチノールに似た性質をもつと注目される成分 |
| アルジルリン | 化粧品成分 | 表情のクセでできやすいラインの肌印象をケア |
ここで先に大切なポイントをお伝えします。「シワを改善する」と表示できるのは、厚生労働省が有効成分として承認した医薬部外品だけです。上の表でいうと、レチノール・ニールワン・ナイアシンアミド・ライスパワー®No.11+の4つがこれにあたります。残りの化粧品成分は、保湿などを通じて「乾燥による小じわを目立たなくする」「うるおいを与える」働きが中心です。ここを押さえておくと、成分選びでも広告表示に惑わされにくくなります。
それぞれの成分が、どのようにシワへ働きかけるのか、詳しく解説しますね。
レチノール
シワ対策の成分として最初に名前が挙がりやすいのがレチノールです。レチノールはビタミンAの一種で、シワ改善の効果が認められた医薬部外品の有効成分としても使われています。
| 働き | 内容 |
|---|---|
| ターンオーバーのサポート | 肌の生まれ変わりを助け、なめらかな肌印象へ導く |
| ハリ・シワへのアプローチ | ハリを支える成分を自ら作り出す働きをサポートすると報告されている |
皮膚科学の領域でも研究が積み重ねられており、複数の臨床試験をまとめたレビューやメタ解析で、レチノールやトレチノインなどのレチノイド類が、線維芽細胞に働きかけてコラーゲンの産生を促し、光老化による小じわの改善につながると報告されています(Mukherjee et al., 2006/Scientific Reports, 2025)。
ただし使い方には注意が必要です。レチノールは光に弱く、日中に使うと肌が敏感に傾くことがあるため、夜のスキンケアで取り入れるのがおすすめです。使い始めは少量からはじめ、肌の様子を見ながら慣らしていきましょう。
ニールワン
ニールワンは、シワ改善の有効成分として承認された医薬部外品の成分です。ペプチドの一種で、角質層までなじみやすい性質をもちます。
| 働き | 内容 |
|---|---|
| シワへのアプローチ | ハリを支える線維を分解する酵素の働きにアプローチする |
紫外線を浴びたり表情を動かしたりすると、コラーゲンやエラスチンを分解する「好中球エラスターゼ」という酵素が増えると考えられています。ニールワンはこの酵素の働きにアプローチすることで、シワへ働きかけます。深いシワが気になりはじめた方に向く成分です。
ナイアシンアミド
ナイアシンアミドはビタミンB3の一種で、シワ改善と美白のそれぞれで医薬部外品の有効成分として承認されています(承認はそれぞれ別の効能です)。シワにアプローチするほか、肌のバリア機能を高めてうるおいを保つ働きもあります。
| 働き | 内容 |
|---|---|
| シワへのアプローチ | ハリにアプローチし、シワを目立ちにくくするとされる |
| バリア機能のサポート | うるおいを抱える力を高め、乾燥を防ぐ |
ナイアシンアミドは、肌の色ムラ(色素沈着)をやわらげる働きについても研究で報告されている成分です(Hakozaki et al., 2002)。刺激が比較的少なく取り入れやすい一方、高濃度では肌が赤くなったりかゆみを感じたりすることがあるため、最初は低濃度から始めるのがおすすめです。
▶︎ナイアシンアミドとは?効果・使い方・併用のコツをやさしく解説
ライスパワー®No.11+
ライスパワー®No.11+は、お米由来の美容成分です。シワ改善効果と水分保持能の改善効果の両方が認められた医薬部外品の有効成分で、表皮のうるおいを整えながら、シワにアプローチします。
| 働き | 内容 |
|---|---|
| シワへのアプローチ | ハリにアプローチし、シワを目立ちにくくするとされる |
| 水分保持能の改善 | うるおいを抱える力を高め、乾燥しにくい肌へ |
肌のバリア機能を底上げしてくれるため、乾燥や肌のゆらぎが気になる方のシワ対策にも向いた成分といえます。
ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体は、ビタミンCを肌になじみやすく加工した化粧品成分です。うるおいを与えて肌を整える目的で、幅広いスキンケアに配合されています。
| 働き | 内容 |
|---|---|
| 肌を整える | うるおいを与え、キメの整った肌印象へ導く |
ビタミンCはコラーゲンが作られる過程に関わる栄養素としても知られ、スキンケアだけでなく毎日の食事からも取り入れたい成分です。なお化粧品としての位置づけのため、シワそのものを改善する成分というより、うるおいを通じて健やかな肌を保つ役割と考えるとよいでしょう。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、高い保湿力で知られる化粧品成分です。水分をたっぷり抱える性質があり、肌表面にうるおいを与えてキープします。
| 働き | 内容 |
|---|---|
| 保湿 | 肌表面にうるおいを与え、水分の蒸発を防ぐ |
うるおい不足で生じる乾燥による小じわのケアに、取り入れやすい成分です。
VEP-M(ビタミンE誘導体)
VEP-MはビタミンE誘導体の一種で、化粧品に配合される成分です。肌の水分量の低下に着目し、うるおいを満たすことで乾燥による小じわをケアします。ビタミンEはもともと、肌の調子を整える目的で使われてきた成分です。
| 働き | 内容 |
|---|---|
| 乾燥小じわのケア | うるおいを与え、乾燥による小じわを目立ちにくくする |
表皮のうるおいを満たすことで、外からの刺激も受けにくくなります。乾燥が気になる肌のケアに取り入れやすい成分です。
バクチオール
バクチオールは、マメ科の植物に由来する化粧品成分です。レチノールに似た性質をもつと紹介されることがあり、ハリ感のある肌印象をサポートする成分として注目されています。光に対して比較的安定しているのも特徴です。
| 働き | 内容 |
|---|---|
| 肌を整える | うるおいを与えながら、ハリ感のある肌印象をサポート |
レチノールが刺激に感じやすい方の選択肢のひとつとして、近年取り入れられることが増えてきた成分です。
アルジルリン
アルジルリンは、表情のクセでできやすいラインに向けて配合される化粧品成分です。同じ表情を繰り返すことでできやすい、目元や口元のラインのケアを目的に使われます。
| 働き | 内容 |
|---|---|
| 表情ラインのケア | 表情のクセでできやすいラインの肌印象をサポートする(感じ方には個人差があります) |
作用は穏やかで、変化の感じ方には個人差があります。ラインが深く刻まれる前から、継続して使うことがポイントです。
シワ改善できるのは医薬部外品だけ?化粧品との違い

成分選びでいちばん混乱しやすいのが、「シワ改善」という言葉の使い方です。ここを整理しておくと、商品選びがぐっとラクになります。
| 区分 | 表示できること | 代表的な成分 |
|---|---|---|
| 医薬部外品(薬用化粧品) | 「シワを改善する」 | レチノール・ニールワン・ナイアシンアミド・ライスパワー®No.11+ |
| 化粧品 | 「乾燥による小じわを目立たなくする」 「うるおいを与える」 |
ヒアルロン酸・ビタミンC誘導体・VEP-M・バクチオール など |
ポイントは2つです。
ひとつめは、「シワを改善する」と表示できるのは、有効成分が一定濃度で配合され、厚生労働省にその効果が承認された医薬部外品だけだということ。化粧品は、保湿によって「乾燥による小じわを目立たなくする」ところまでが表示できる範囲です。同じ成分名でも、医薬部外品として承認された配合と、化粧品としての配合では位置づけが異なります。
ふたつめは、効果を実感するには継続が前提だということ。医薬部外品のシワ改善アイテムは、朝晩のケアで1か月以上、毎日続けることを目安に設計されています。数日で劇的に変わるものではないと知っておくと、過度な期待で迷うことが減ります。
「シワが消える」「塗るだけで若返る」といった強い表現をみかけたら、まず医薬部外品かどうか、どの有効成分が入っているかを確認する習慣をつけましょう。
シワに効く化粧品・クリームの選び方3つ

成分の全体像がわかったら、実際のアイテム選びです。次の3点を順番に確認しましょう。
有効成分(医薬部外品)が配合されているか
シワそのものへのアプローチを重視するなら、まずは医薬部外品のシワ改善有効成分が入っているかを確認します。先に挙げたレチノール・ニールワン・ナイアシンアミド・ライスパワー®No.11+が目印です。化粧品の成分表示は、配合量が多いものほど上の方に書かれる決まりなので、目当ての成分が上位にあるかもチェックしましょう。
保湿力が高いか
シワは、乾燥で肌表面が硬くなり、しなやかさを失うことでも目立ちます。高保湿のアイテムを選ぶことは、乾燥による小じわが目立ちにくい肌を保つことにつながります。
- ヒアルロン酸やグリセリンなど、うるおいを与える保湿成分が入っている
- セラミドなど、うるおいを抱えて逃がしにくくする成分が入っている
肌への負担が小さいか
有効成分だけでなく、肌あたりのやさしさも大切です。肌に負担がかかって炎症が起きると、かえってシワが目立つこともあります。敏感に傾きやすい方は、次の点も確認しておくと安心です。
- アルコール(エタノール)が多すぎないか
- 香料・着色料が肌に合うか
- パッチテストで刺激が出ないか
そもそもなぜシワができる?シワを作る4つの原因

シワができる主な原因は、次の4つです。自分のシワがどのタイプかを知ると、選ぶ成分も決めやすくなります。
乾燥
肌が乾燥すると、表面に細かいシワ(ちりめんジワ)が現れやすくなります。うるおいで満ちた肌はふっくらとしたハリを保てますが、水分が抜けると、しぼんだ風船のように小じわが目立ってしまいます。「かさつく部分に細かいシワがある」「笑うと目尻に細かいラインが出る」といった場合は、乾燥が関係しているかもしれません。
紫外線
紫外線は、シワの大きな原因のひとつです。紫外線は肌表面だけでなく奥まで届き、ハリを支えるコラーゲンやエラスチンにダメージを与えます。こうした紫外線による肌の老化は「光老化」と呼ばれ、しわやたるみ、シミの一因になることが、環境省の資料でも示されています(環境省 紫外線環境保健マニュアル2020)。「表情を動かさなくてもシワが気になる」「日焼け後にハリが落ちた気がする」場合は、紫外線対策を見直しましょう。
表情ぐせ
よく笑う、目を細める、眉間にシワを寄せる。こうした表情を繰り返していると、同じ場所に折りジワがつき、やがて消えにくいラインになることがあります。「眉間や目尻、ほうれい線のラインが濃くなった」と感じる場合は、表情のクセが関係しているかもしれません。
加齢
年齢を重ねると、ハリを支えるコラーゲンやエラスチンは少しずつ減っていきます。土台が弱くなると肌はたるみ、シワができやすくなります。さらに、紫外線・睡眠不足・ストレス・糖質のとり過ぎなどが重なると、肌の老化が進みやすくなります。甘いものが多い方は、コラーゲンの質に関わる糖化にも気をつけたいところです。
シワの種類は大きく2つ|小ジワ・大ジワと効く成分

4つの原因が生むシワは、大きく「小ジワ」と「大ジワ」に分けられます。タイプによって、向く成分が変わります。
乾燥が主な原因の小ジワ(表皮ジワ)
小ジワは、肌の浅い層(表皮)にできる浅いシワです。指で皮膚を軽く伸ばすと消えるなら、小ジワの可能性が高いでしょう。うるおいを十分に補うことで目立ちにくくしやすいタイプです。向くのは、保湿やバリア機能をサポートする成分。ヒアルロン酸・VEP-M・ナイアシンアミド・ライスパワー®No.11+などがおすすめです。
紫外線・表情ぐせ・加齢が原因の大ジワ(真皮ジワ)
大ジワは、肌の奥(真皮)まで刻まれた深いシワです。皮膚を伸ばしてもラインが残るのが特徴で、早めの対策が肝心です。深いシワには、真皮のハリにアプローチする医薬部外品の有効成分が中心になります。なかでもレチノールとニールワンが代表的で、ナイアシンアミドやライスパワー®No.11+も選択肢になります。
部位別のシワ対策|おでこ・目元・首元
シワができやすい場所ごとに、ケアのコツを整理します。
おでこ
おでこは表情が出やすく、皮膚も薄いため、紫外線や乾燥のダメージを受けやすい場所です。基本は保湿と紫外線対策。日焼け止めを習慣にし、保湿力の高い化粧水や乳液でうるおいを与えましょう。レチノールやナイアシンアミド、ヒアルロン酸などが入ったアイテムが選択肢になります。
目元
目元は皮膚が薄く、乾燥や表情のクセでラインが出やすい場所です。目元専用のアイクリームなど、デリケートな部位に向けて設計されたアイテムを選びましょう。深いラインが気になる場合は、後述の専門施術も選択肢になります。
首元
首元のシワは、放置すると深くなり、年齢を感じさせやすい場所です。顔と同じように保湿と紫外線対策を行い、首にも日焼け止めを塗りましょう。深いシワや筋肉のゆるみが気になる場合は、ストレッチやマッサージ、専門施術も合わせて検討します。
▶首元のケアをもっと詳しく知りたい方は、首のたるみ・首のシワ対策の記事もチェックしてみてください。
自宅ケアで足りないときは専門施術という選択肢
セルフケアで変化を感じにくい深いシワには、医療機関やサロンの施術という選択肢もあります。代表的なものを紹介します。施術はメリットだけでなく、ダウンタイムや費用、医療行為かどうかも含めて、必ず専門家に相談のうえ選びましょう。
- ヒアルロン酸注射(医療)…シワの溝に直接ヒアルロン酸を注入してハリを補う
- ボツリヌス・トキシン注入(医療)…表情ジワの原因となる筋肉の動きをやわらげる
- 光による施術(BBLなど)(医療)…肌の内側に働きかけ、ハリ感をサポートする
- アクアピーリング(サロン)…古い角質を取り除き、肌のリズムを整える
- マイクロカレント(サロン)…微弱な電流で肌をすこやかに保つケア
どの施術が向くかは、シワの深さや肌の状態によって変わります。気になる方は、サロンや医療機関のカウンセリングで相談してみてください。
よくある質問(FAQ)
深いシワに効く成分はどれですか?
真皮まで刻まれた深いシワには、医薬部外品のシワ改善有効成分が中心になります。代表的なのはレチノールとニールワンで、ナイアシンアミドやライスパワー®No.11+も選択肢です。化粧品成分は、乾燥による小じわを目立たなくするケアが得意分野です。深いシワが気になる場合は、医薬部外品に加えて、専門施術も合わせて検討するとよいでしょう。
シワ改善クリームは、どのくらいで効果を感じますか?
医薬部外品のシワ改善アイテムは、朝晩のケアで1か月以上、毎日続けることを目安に設計されています。数日で大きく変わるものではありません。まずは肌に合うかを確かめながら、継続して使うことが大切です。
プチプラの化粧品でもシワに効きますか?
価格の高い・安いよりも、医薬部外品の有効成分が入っているか、配合が肌に合うかが重要です。手頃な価格でも医薬部外品のシワ改善アイテムはあります。まずは成分表示と「医薬部外品」の表記を確認しましょう。
成分は1つに絞るべきですか?
必ずしも1つに絞る必要はありません。たとえば、乾燥小じわには保湿成分、深いシワには医薬部外品の有効成分というように、肌悩みに合わせて組み合わせる考え方が現実的です。ただし、刺激を感じやすい成分を一度にたくさん使うのは避け、肌の様子を見ながら取り入れましょう。
まとめ|医薬部外品か化粧品かを見極めて、続けられるケアを

シワに効くとされる成分はたくさんありますが、選ぶときの軸はシンプルです。「シワを改善する」と表示できるのは医薬部外品の有効成分(レチノール・ニールワン・ナイアシンアミド・ライスパワー®No.11+)で、化粧品成分はうるおい補給や、乾燥による小じわのケアが中心になります。
まずは自分のシワが小ジワか大ジワかを見極め、その悩みに合った成分を選びましょう。そして、どの成分も毎日続けてこそ力を発揮します。保湿と紫外線対策という土台を整えながら、無理なく続けられるケアをみつけてください。深いシワや変化を感じにくいシワには、専門家への相談も心強い選択肢になります。
【参考文献】
- Mukherjee S, et al. “Retinoids in the treatment of skin aging: an overview of clinical efficacy and safety.” *Clinical Interventions in Aging.* 2006.
- “Comparative efficacy of topical interventions for facial photoaging: a network meta-analysis.” *Scientific Reports.* 2025.
- Hakozaki T, et al. “The effect of niacinamide on reducing cutaneous pigmentation and suppression of melanosome transfer.” *British Journal of Dermatology.* 2002.
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」






