一方で、プロテインはヤバい、危険といったネガティブなワードが話題に上ることもあります。
そこでプロテインのデメリットを、くわしく調べてまとめました。健康や美容のためにプロテインを飲もうか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
プロテイン摂取のデメリットは腎臓への負担?

プロテインのデメリットとして、腎臓への負担が挙げられます。まずはこの点をくわしく見ていきましょう。
腎臓組織の過剰通過
プロテインの摂取で、もっとも懸念されるのが腎臓への負担です。タンパク質を摂取すると体内でアミノ酸に分解されます。アミノ酸は体のさまざまなところで利用されるのですが、その過程でアンモニアを多く産生します。
アンモニアは尿素となり、腎臓のろ過システムを通して排出されます。タンパク質の摂取量が増えれば、当然尿素のろ過量も増えます。プロテインを飲むと通常より多くタンパク質を取り込むことになるため、腎臓の負担につながるのではないかと考えられるようになったのです。
腎疾患患者のタンパク質の摂取制限
実際、腎臓病を持っている患者に対しては、タンパク質の摂取制限を行うことが一般化しています。既にダメージを負っている腎臓のろ過システムに、できるだけ負担をかけないようにするための対策として有効なためです。
ただしこれはあくまで、既に腎臓に何らかの病気をかかえている場合です。健康的な人がタンパク質を制限したり、多く摂取したりすることで腎機能への影響があるのかについては、まだ議論が続いている状況です。
実は1日の摂取上限が定められていないタンパク質

2007年の「プロテイン・サミット2.0」では、19 歳の成人で 0.8 g/体重(kg)/日という目安が提示されました。つまり体重60kgの人なら、1日に48gとなります。
これはあくまで、健康を維持するために必要な量の目安です。
しかし「0.8 g/体重(kg)/日までしか摂取してはいけない」と誤解を呼んだことが、プロテインの摂取による腎臓への負担懸念につながったのでは、という見方もあります。
実際は、タンパク質の摂取上限は定められていません。
「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」でも、日本人のタンパク質必要摂取量を「0.66 g/kg /日」としていますが、これも1日にとるべきタンパク質の最低量です。そして現時点では明確な根拠が十分でないため、耐容上限量は設定しないとしています。
海外の研究では、「タンパク質の摂取量が35%エネルギー未満(必要エネルギー消費量の35%未満)であれば腎機能を低下させることはないだろう」とするものもあります。しかし研究の質が十分でないため、さらなる検証が必要とされています。
つまり、タンパク質を多くとることが体に悪影響を及ぼすかどうかは、はっきりしていないのです。
参考:
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
ScienceDirect「The American Journal of Clinical Nutrition Volume 101, Issue 6, June 2015, Pages 1317S-1319S Introduction to Protein Summit 2.0: continued exploration of the impact of high-quality protein on optimal health2, 3Author links open overlay panel Rodriguez Nancy R」
ほかにも気になるプロテインのデメリット

ほかにもプロテインのデメリットとして挙げられるものがあります。
膨満感や下痢症状が出る
プロテインには主に以下の3種類があります。
- ホエイプロテイン…ヨーグルトの上澄み部分にあたる、牛乳由来のタンパク質
- カゼインプロテイン…牛乳由来のタンパク質
- ソイプロテイン…大豆由来のタンパク質
このうち牛乳由来のホエイプロテインとカゼインプロテインには、乳糖(ラクトース)が含まれています。日本人の半数程度は乳糖不耐症と言われており、乳糖を摂取すると下痢症状が現れることがあります。また、プロテインに含まれる人工甘味料が原因でお腹の不調を訴える方もいます。
そもそも大量にタンパク質を摂取すると消化しきれず、腸内環境を悪化させます。すると、便秘や膨満感となって現れやすくなります。
ソイプロテインのとり過ぎは女性にとって危険?
食品安全委員会では、大豆イソフラボン1日の摂取上限を75mgと定めています。これは、閉経後女性が大豆イソフラボン錠剤を150mg/日、5年間摂取し続けた試験において、子宮内膜増殖症の発症が増えたことによるものです。影響を受けたのが閉経後の女性のみであることや個人差を考慮し、半分の量である75mg/日を採用しています。
一般的なソイプロテイン1食分に含まれる大豆イソフラボンは、50mg前後とされています。そのため、規定の量を摂取する分には問題ありませんが、とり過ぎには注意する必要があるでしょう。
参考:食品安全委員会「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の 安全性評価の基本的な考え方(p.45)」
プロテインの摂取にはメリットもある

プロテインを適量摂取することには、さまざまなメリットもあります。
筋肉量の増加
プロテインを摂取すると、筋肉量の増加が期待できます。実際、低~中強度の運動トレーニングとあわせて、少量のミルクプロテイン(1日10g)を継続摂取したことで、筋肉量の増加が認められた研究結果もあります。これは高齢者を対象とした研究ではありますが、運動による筋肉への刺激とプロテインによる栄養補給の相乗効果で、筋肉の修復と合成が促進されたからと言えるでしょう。
参考:株式会社 明治「ミルクプロテイン(乳たんぱく質)の継続摂取が、低~中強度の運動を実施した成人男女(60歳以上)の筋肉量を増加させることを確認」
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カロリーセーブで代替ダイエット
プロテインダイエットは、1食分をプロテインに置き換えるダイエット方法です。プロテインには脂質がほとんど含まれず、カロリーも低いうえ、満足感があるため置き換えダイエットに活用できます。
置き換えダイエットには健康上の懸念もありますが、「前日に食べすぎた」「どうしても短期間で痩せたい」といったときには、取り入れてみてもいいでしょう。
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ソイプロテインの美容効果
ソイプロテインには女性ホルモンと似た働きをする、大豆イソフラボンが含まれています。そのため、ソイプロテインをとることで、美肌や美髪につながる効果が期待できます。美容のためにプロテインをとるなら、ソイプロテインが選択肢になるでしょう。ただし上述もしたように、摂取量には注意してくださいね。
結局プロテインはどうとるべき?

プロテインの摂取には腎機能へのデメリットが懸念されていますが、タンパク質の摂取上限が定められていない以上、絶対とらないほうがいいと言えるものでもありません。そのためプロテインを健康維持などの目的で取り入れるなら、以下の点に注意することが必要と言えます。
推奨量を守る
プロテインに含まれているタンパク質は、1食分15~25g程度です。そのため、規定の量を摂取する分にはとり過ぎを過剰に心配する必要はないでしょう。定められた量を守り、食事でバランス良く栄養をとりつつ、あくまで補助的に取り入れるようにしましょう。
自分の体にあったものを選ぶ
牛乳由来のプロテインのように、人によっては膨満感や下痢症状が現れるなど、体に合わないプロテインもあります。もともと牛乳でお腹を壊しやすいという方は、ソイプロテインのほうが合うかもしれません。
ただし、どのプロテインが自分に合うかは試してみないとわからない部分でもあります。少量サイズから試し、問題なく摂取できるものを取り入れるようにしましょう。
運動後に飲む
プロテインは基本的に筋トレなどの運動を行った直後や朝、就寝前に摂取すると良いとされています。ただし、プロテインで膨満感が現れやすい方の場合、こうしたタイミングはかえって負担を大きくする可能性があります。
プロテインも食品の一種です。運動直後や就寝前は胃腸の働きが落ち着いているタイミング。消化が進まず、お腹が張る原因になりかねないので、体調を見ながら飲むタイミングを決めることも大切ですよ。
プロテインのデメリットを理解して正しく取り入れよう

プロテインには、「飲んではだめ」と決定付ける医学的な根拠はいまのところありません。長期的な影響などもはっきりしないというのが実情です。そのため、定められた量を守り、体に合ったものを選んで摂取する分には問題ないと考えていいでしょう。
ダイエットのためにプロテインを飲もうか考えている、でも心配…ならエステも選択肢ですよ。横になっているだけで腹筋運動したことにしてくれる「マグフォース」、気になる部分の脂肪だけ取り除く「脂肪冷却リポクール」なら、楽して理想のスタイルを目指せます。気になる方は、お気軽に銀座グラティアにご相談ください。






